905SHは家電量販店頭でホットモックを延べ何時間も弄くり倒したりして「ちょっと欲しいかな」とは思っていたんだけど、どうもあのずんぐりした厚みとかが、持ち歩くのにちょっとなぁ・・・とか思ってなかなか思い切れずにいたところへ、911SHが発表された。(2006年11月のこと)
「隠し球」とか言って発表にはだいぶ勿体をつけられたわけだが、その割りに911SHの内容があまりにも「予想内」(その数週間前にDoCoMoが発表したワンセグ搭載端末SH903iTVとほぼ同じ内容の端末がSoftBankからも出るのでは?という予想は、以前からあった)だったことで、落胆する人も少なくなかったようだ。
機能面だけ見ると905SHにはあったアナログチューナー(TV,FM)が削られたりスピーカーがステレオからモノラルになったりしたことを「退化」と受け止めた人もいるようだ。(一部の人に「退化」と受け止められているような部分も、本質的には「進化」といってもいいのではないかと感じられる点もあるのだが)
たしかに、もし既に905を所有していたならあえて買い換えるほどではないとは思った。
持っていない人で、これから買うのに905と911のどちらにしようか迷っているのを見かけるが(905SHもとうとう¥0端末になったしね。在庫は希少になったけど)卜(ぼく)は迷わず911だった。薄型化による、機能のトレードオフがあったとしても、薄さを取ったということかな。
もちろん、911には905からの改良点も多くある。「905は911のプロトタイプだった」とまで言う人もいるぐらいだ。何を求めるかは人それぞれなので、無くなった機能がどうしても自分にとって必要な人は905を選ぶのも良いだろう。
ところで、孫社長が「今後SoftBankは"薄い"端末をどんどん投入していく」「薄いのはSoftBank・・・といっても私のヘアーのことではありません」と自虐ネタで宣伝しているとおり、SoftBankから発売される端末には薄さをウリにしているものが増えてきた。
ただ薄ければいいってものでもないんではないか?とは思うんだけどね。
カタログスペックには「幅mm x 高mm x 厚mm」といった情報があるけれど、結局大きさとか薄さはモックを触ってみなければわからないところがある。数字上では1mmの違いでも、触ってみるとそれ以上に感じられることもあるし、その逆もあるから。
705SHや705SC、705Pはそれほど持ちにくい(使いにくい)とは感じられないけど、706SCなどは薄さを追求した分、幅が広くてかえって使いにくいという声も聞かれる。
905SHと911SHを比べると、携帯性(持ち運びやすさ)は911が上だが、端末を握った感じは905の方が持ちやすいと感じられる。ことに片手で端末を持ってメールを打つ、なんていう状況では911は液晶側が大きくなった分、本体側も大きくなっているのでちょっとツライかな?と感じる人もいるんじゃないかと。まぁ、そのへんも手の大きさとか、人によって違うので感想も異なるんだろうけど。
卜がこれまで使っていたV401Dと比べると、VGA以上のサイズでは同等の画質で、QVGAサイズ以下だとV401Dの方がキレイに撮れる。(もっともV401Dでは撮った写真をメール添付で送ろうとしたら6KB以下にリサイズしなければ送れないというネックはあるが)
撮影した画像をSDカード経由でパソコンに移して使うならV401Dで撮った方がいいな、と感じた。(3G機と違って2Gは白ロムでも通信関連以外の機能が使えるので、いまでもたまにV401Dを充電しカメラや目覚まし時計、万歩計がわりに使ったりしている)
911SHのカメラは、705SHに載っているものと同等と考えられるので、604SHや904SHと比べてしまうとだいぶ写りが悪いということになるのではないだろうか。
・・・と、ここまでは一般論的に。
卜にとっては以前にも書いたことがあるけど「ケータイカメラの画素数が500メガピクセルになる」(要するに、デジカメの性能に近づけようとする)ことより、webの素材として使える程度のそこそこいい写真が撮れて、ケータイの他にわざわざデジタルカメラやレンズ付きフィルムを持ち歩かなくて済むようになることの方が重要なので、その点では911SHのカメラは十分及第点を与えられる。悪評も多いようだが、この程度の写りでも卜にはまったく気にならない。ケータイのカメラに求めているものが個人個人で異なる(910SHや705NKのカメラにすら不満を言う人もいるくらいなので)ので、そこは評価も異なるところだろう。
あまり良くない、というよりは全然良くない(^^;
クリック感が乏しくキーストロークも浅いわりに敏感に反応したりするのと、キーの上下間隔が狭いことで、押し間違えが頻発する。「あした」と打とうとすると「あたさはさたあま」と打っちゃったり。
これは、何ヶ月使っても慣れないだろうな。端末を両手でしっかりホールドして、落ち着いて打鍵する以外の解決策は無い。
打てば打つほど「きみは、じつにばかだな」という、アノAAが脳裏に浮かんでくるカンジ。
しかし「ケータイShoin」は進歩ないよなぁ、ホントに。「ケータイShoin」というか、もうJ-SH01ていうかDP-203の頃からほとんど進歩ないんじゃない?と言ったら言い過ぎかもしれないけど、前世紀の遺物をいまだに引きずってるこの感じっていうのは、どうなのよ?
ずっとSHARPのケータイを使い続けてきたような人ですら「変換は・・・ちょっとネ・・・あ、近似予測はOFFにした方が早く打てるよ」と口ごもるみたいな。
変換エンジンの、変換グセにはそりゃ好き嫌いがあるでしょう。卜は昔から嫌いだし、今も嫌いだね。
最近、他の機種のATOKやらPOBoxやらRupoやらがとても使いやすく進化しているんでなおさら。
個人的にはV401DでATOK、705NKでさらに進化したATOKを使っているんで、SHで文章打つ気が・・・。
ATOK+APOT=POBox>Rupo>>>うんぬ>>>超えられない壁>>>Shoin
て感じかなぁ。
変換以外の部分でも、文字種の切り替えがしにくいし、記号も出しにくい。それがキーの押しにくさと相まって・・・
これも昔からそうだし、これからも改善の見込みはないでしょうな。
Zaurusの時には、まるとさん(有名ざうらー)がよく批判していたのと質的に同じ不満なんだけど、SHARPというメーカー自体の物づくりに対する姿勢というか、設計思想が改善されない限りはどうにもならない。
言葉で表現するのはだいぶ難しいんだけど、卜がMacを使っててWindows PCに感じる不満(これも以前書いたことがある)とも似ているような気がする。
Macは「こういう作業をやる時には、こうやる」という部分がきっちりと決まっていてどんなアプリケーションを使っても統一性が取れているので応用もききやすく、慣れるまでに余り時間がかからない。初めて使ったとしても(なにより機械音痴な卜のような人間でも)マニュアルなしにそこそこ使いこなせるし、操作に迷ってもヘルプを読めばたいてい解決できる。他の家電製品のように、操作すること自体にストレスを感じることはほとんどない。何も考えずに使える。
それに比べてWindowsはインターフェイスもだいぶ散漫。いろいろな操作をとにかくボタンにしてしまう。
Macではアイコンを最初から基本要素として考えて設計されている。アイコンは間違いなくファイルの実体に限りなく近く、どのアイコンも同じ意味合いを持っていて、たとえば道路標識のように色と形が意味に結びついている。
一方Windowsでは、アイコンなのかボタンなのか理解できないものがいくつかある。(例えばデスクトップの電子メールアイコンなど)さらにInternet ExproerがWindows自体に統合されたことでブラウザ風味まで操作方法に加わって、ますます全体としてぼやけた操作方法になっている。アプリケーションごとに操作感もバラバラ。マニュアルやヘルプなしには使えないにもかかわらず、マニュアルやヘルプは難解な語句が並び、あげく役に立たなかったりで問題解決に時間を浪費する。
そもそも、ちゃんと使えるようになるまでの設定に無駄な時間を費やさなくてはならないことが多すぎる。
しかも、バージョンアップのたびに改善されているのか改悪なのか、スタート地点でのgdgdな要素をいつまでも引きずってきている。
Macは「最初からこんな味付けにしよう」ということを考えて材料を付け足してきたのに対して、Windowsはいろいろなものをごちゃ混ぜにしたらとりあえずこんな味になった、という気がする。
まぁ、この原稿もWindowsで書いているし、別にまったく使い物にならないコンピュータではないのだけど、使いにくいのは否めないところ。
・・・で、寄り道が長くなったがSHARPが作る携帯電話端末も携帯情報端末(PDA。Zaurusとか)も、いつもそうだ。
いったい、設計思想があるのかないのか、ユーザーの立場で考えて作っているとはとても思えない散漫なインターフェイス。
いろいろと、押さえておいて欲しい「ツボ」みたいなところが、てんで押さえられていない。
素人でも少し使えば感じられるような操作感の「おかしさ」がいつまでも放置されている。
前にも書いたことがあるかもしれないけど、SHARPの「中の人」は自分が作った端末をちゃんと自分で使っているのかしら?と疑問に思わざるを得ない点がいくつもある。
いくつものチームに分かれて開発してきたものを寄せ集めて、最終的にすり合わせもせずにリリースしたんじゃないかと思えるような統一感の無さ。
たとえば、「戻る」時にはクリアを押すのか?赤い(終話)ボタンか?ソフトキーの右なのか?同じキーで戻れたり戻れなかったり、同じキーを押してるのにメール画面では戻っちゃってライブモニターを表示させてるとページ送りになったり。
911SHは「サイクロイド・スタイル」が自慢、なハズなのに携帯電話の機能としてサイクロイドが生きるのもほんの一部。
外部からダウンロードするアプリケーションがサイクロイドに追従しないのは仕方ないとしても、自機に内蔵している機能がサイクロイドと連係していないものを売るのは恥ずかしくないんだろうか?
機能も結局は「組み込みアプリ」だからインターフェイスの裏側は同時期開発の他機種と使いまわしってのがバレバレ。別にいちいち開発し直してる暇など無かった、ということなんだろうね。
そーいえばZaurusでも、横型(MI-C1あたり)から縦型(MI-P10、MI-E1あたり)に変わる過渡期の頃そうだったっけ。
このあたりは、常にSoftBankにフラッグシップ端末を供給しなければならないメーカーとしての事情とかあるのかもしれないんだけど、それはユーザーとしては知ったことではないからねぇ。
さて・・・すっごい漠然とした内容で、しかも不満をあげつらうばかり。端末のインプレにも何にもなっていないものになったが、卜がSHARPをあまり好きではないということだけは伝わったのではないかと思うw
じゃぁ、お前はなんで買ったんだよ?って話にもなるわけだが。
ひとつには705NKを買うと決めていたのと新料金プランが発表されたので、ようやく旧プランから離脱できるようにはなったけど2Gから3Gに変えると月々の使用料がどれほどになるかな?っていう、新料金(特にオレンジ)プランの実機によるシミュレートというか初めての3G機のパイロット運用的な意味合いで。2.5G端末もvodafoneの赤プランも経験ないんでパケ代とか想像つかなかったしネ。
日常どのように使っているかというと、通勤時のTV鑑賞、iMonaでの2チャンネル閲覧(w・・・しかしiMonaがサクサク使える&書き込みもできるのは大きなポイント)、Excel・Word・PDFファイルの閲覧、mixiとか自分のwebページの日記への写真つき投稿、通勤時の「ちかチャット」www、その他、大容量メールの送信や携帯でwebに繋ぐ必要のある時などに705NKではなく911SHの方を使っている。705NKの方はパケし放題付けてないから、パケ代かかりそうなことは911SH担当。あと、ホワイトプランにしてからはSoftBank端末への通話(除:21:00〜1:00)も911SHが担当で分業制。
カメラは全くといいほど使ってない。あ、たまにQRコードを読むのに使うけど。
前述のように携帯カメラとしての性能にそれほど不満があるわけではないが、705NKがあるのであえて911SHで撮る理由がない。MicroSDカードのPictureフォルダは500MBくらい消費してるが、PCから書き込んだものとか。画像をメール添付で送るときもまずPCやNokiaからBluetoothで911SHに転送してから送ったりすることが多い。Bluetoothはマジ便利!発売するほとんどの端末にBluetoothが標準装備なのはSoftBankの他キャリアに対する大いなるアドバンテージだと思うんだけどね。
電池の持ちには不満は無い。TVとかiMonaはかなり電池食うけど、前夜に充電して翌日家に帰るまでに電池がヤバい!というほど減ったことはない。
あ、あとEdyとモバイルSuicaでけっこう活躍してるわ。一度財布を家に置き忘れた時、EdyとSuicaの残高でどうにかなった事があり。
財布は忘れてもケータイは忘れないのかよ?!って話でw
911SH買う前はEdyもSuicaも使ったことは無かったんだけど、一度使い出すと、もうやめられなくなるネ。
それにしても、911SHを使うとハードウェアの性能として五年前のZaurusに迫る、というかそれ以上に感じる点すらあるから技術の進歩はスゴイなぁ、と思う。それはホント、素直に。こんなのが二万円以下で買えるということがむしろ不思議。
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